~ 3500キロ走破! 新疆からチベットの都・ラサへ  ㉒ ~
 
~チベット・ラサのシンボル、ポタラ宮。
 新疆ウイグル自治区のカシュガルより、
 ランドクルーザーで3500キロの陸路の旅。
 シバ神の住むという聖なる山・カイラス(カン・リンポチェ)、
 野生動物や高山植物など、秘境ならではの出会いに期待! ~
 
旅の始まりは、カシュガルの南山牧場。
ウイグル族のお姉さんが歓迎してくれました!
 
荒漠としたシルクロードの辺境。
用水路の周り以外は、草木の一本もない。 まさに西遊記の世界!
 
こういったポプラなど緑のたくさんある場所は、水があります。
ほとんどが雪解けの水ですね。
 
パミール高原の名峰・コングール(標高7649m)です。 
 
 
四駆に分乗し、いよいよ秘境の旅の始まりです。
ガタガタの道、すぐ脇には濁流の河。
天気も今イチ。雨が降ると落石の危険性も!
 
『 これが道かよ!』 思わず言いたくなる悪路。
雪解けの夏は、しょっちゅうこうなるそうです。。。。。 
 
標高もどんどん上がっていきます。
チベットとの省境の峠は5000mを超える!
 
 
行く手には、いや~な暗雲が立ちこめてきました。。
 
ここは麻扎山口 (マーザー峠)。 それでもまだ4480m。
雪も積もっており、ダウンは必携!
 
 
峠を越えると、なんとこんな素晴らしい晴天に! 一安心です!
 
天気が良いと、気分もうきうき!
 
 
今回3500キロ走破の立役者。ランドクルーザー60型(1980年代製)。
「 TOYOTA 」  のエンブレムが頼もしい限りです!
 
このルートは、「 新蔵公路 」 と呼ばれます。
新疆ウイグルから西蔵(チベット)までの道。平らな道がえんえんと続きます。
しかもずっと高所地帯(4000~5000m)なのです!
 
 
まさに広大! 蒼い空に低い雲 。
「 チベットに来た~っ!」  思わず叫びたくなりました!
 
快調なドライブと思いきや、たびたびエンコ。
まあ20年近く走っている車ですから。
(ちなみに走行距離は48万キロを越える!)
 
ここは今回最大の難所・甜水海。 延々と続く標高5000mの平原!
すごい風で足元もふらつきます。 運ちゃんが心配そうに見守る。
しかしタバコはやめられない! (根っからの山男の I さん!)
< 注:高所が初めての方は、絶対に真似しないでください! >
 
1号車の運ちゃん・ヨンジュン (チベット族) と一枚!
彼とは今後何年も、長~い付き合いになりました。 まさに一期一会でした!
 
なんとラッキー! チベットガゼルです。(もちろん野生)
この長い角は漢方薬に、柔らかい毛は高級衣料に、と
乱獲され絶滅しかけました。
近年は国家級の保護動物として、厳重に保護されております。
 
 こんな野菜のような高山植物も!
 
今回の最高地点・界山大坂峠 (標高5240m) の標識。
高所が延々と続くので、峠って感じがしませんけど!
 
高所の天気は千変万化。 『 降る前にホテルに着きますように!』
 
『 これがホテルう~?』 現地では招待所と呼ばれております。
「 招待 」 、と言うよりは山小屋ですな~。 
まあ20年前のチベットは、どこでもこんなものでした。
 
 
本日も蒼天! ちなみに蒼天とは、チベットやモンゴルの濃い青空のこと。
中国語ですと、「 天帝 」 の意味もあるそうです。
私、この色が大好きで、会社の名前も 『 蒼天旅行 』 と名付けました!
 
ひつじの放牧。 わずかな草しか生えない荒れ地。
放牧が唯一の生きる糧です。
 
 
真っ蒼! 天空の湖・パンゴンツォ ( ツォはチベット語で湖 ) です。
あまりにも大きくて、一枚で撮りきれないのが残念!
 
 
ちょっと無理がありますが、ご勘弁を! 
 
峠や神聖な場所には必ずある五色の旗のようなもの。
「 タルチョ 」 と呼ばれるチベット仏教のシンボルです!
5色にはきちんと意味があります。 赤は火、白は風や雲、黄色は大地、
青は空。 『 ん、では緑は? 』 少し考えてみて下さいね! 
 
行けどもいけども続く大地と蒼天。 行き交う車もありません。
 
遙か遠くに、町らしきモノが!
 
 
このあたりで一番の都市・阿里 ( アリ ) です。
今日はふかふかの布団で眠れるか?
 
やはり甘かった。。。 
でも、すきま風の心配はありませんでした! (二重窓)
上海から同行の、スルーガイドの王さんもほっと一息。
 
 
ホロホロ鳥? 美味だそうです!
 
 
夏は雪解け水と雨も多く、川幅も広くなります!
 
自分が渡る時は、かなりドキドキ!
 
水があるところには、
 
花も咲きます!
 
風が強いので、丈も短く、かたまって咲きます。
いわゆるクッション植物ですね~。 厳しい自然に適応する、生き物の智慧です!
 
これはすごい!! まさにお花畑!! 
乾燥したチベットにいるとは、とても思えません!
 
お昼はいつもこんな感じ。 もちろんレストランや売店などありません。
パンやマントウ ( アンコの入っていない饅頭のようなもの )、ゆで卵やソーセージ、
ザーサイやニンニクの酢漬け ( 意外と好評! )、リンゴなどの果物。
余談ですが、チベットの人は1日2食しか食べないそうです!
 
 
 『 どこから来たの? 』 こんな誰もいない広大な場所で、
どこからともなく現れたおじい ( おばあ?) さんと子供 ( 孫?)。
 『 デザートのスイカをどうぞ!』
 
食べ終わると、またどこかへ帰ってゆく。。。
 『 どこへ帰るん? 』
 
トラックで現れた親子。
お母さん、なんとなくお客様のKさんに似ている?
 
 
ラサはまだまだ先、さあ出発!
 
放牧するチベット族。
 
よく見ると、黒いテントで暮らしています。
ヤク ( 毛牛 ) の毛で編んであり、雨が降ると膨張して網目が詰むので雨が防げる!
天気が良くなると乾燥して網目が広がり、風通しがよく涼しい。という
大変優れたテントです。 ちなみに布製のテントの何倍も高価だそうです!
 
角があるので、ヤギかもしれませんね~。
 
 
先頭が走り出すと。。。 なんとも楽しい写真が撮れました!
思わず、『 ひつじのショーン 』 を思い出す!
 
 
イケ面のお兄さん。20年前にしては、おしゃれですよね!
 
前にも案内しましたが、これがクッション植物(群生植物)。
みんなでかたまって、必死に生きてますね!
 
何の花でしょうか? 開く前のフウセンマンテマ?
 
ヤク (毛牛)の頭蓋骨と、大ぶりの石に、文字らしきモノが彫ってあります。
マニ石と呼ばれ、大体「 オン・マニ・ペミ・ホーン 」 と仏教の経文が
刻まれていることが多いです。
 
新蔵公路を離れ、阿里から100キロほど南下したツァンダという町。
も~のすごい砂埃立ちこめる悪路でした!
この一角に、ピヤンドンガ遺跡という素晴らしい石窟があると聞き、
足を伸ばしてみました。
 
先ずは腹ごしらえ。何とも広大な荒れ地です!
 
9世紀から15世紀まで栄えたグゲ王国の遺跡。
これから上まで登ります!標高は4000m近く。
ゆっく~りと行きましょう!
 
上から眺めると、こんなすごい景色が!
ちょっと 「 風の谷のナウシカ 」 感でてませんか?
遠方の雪山の反対側はインドです!
 
見上げると、こんな日輪が! 
日輪が出ると、天気が崩れるそう。。( 1号車の ヨンジュン談 )
ホントかな?
 
こんなに晴れているのに!
 
さあ、目指すはピヤンドンガ遺跡!
( 青いランクルだったら良かったのに!) 
 
遺跡に到着。ここを登ってゆくと、入り口があります。
はやる気持ちを抑えて、ゆっくりと!
 
聞きしにまさる、素晴らしい壁画がぎっしりと!
仏教美術の好きな方は、是非一度お訪ね下さい。
 
ここはインドとの国境地帯。
顔つきや肌の色などで、それが実感できますね!
 
インド人でしょうか? 顔も身体の黒さが物語る。
 
真ん中にはヤク(毛牛)が! その後ろはラクダでしょうか?
ここにしかない( だろう )貴重な壁画です!
 
大変辺鄙な場所なので、この十一面観音もイスラム信者や
文革の迫害から免れたんですね
ここだけで50枚くらい撮ってしまいました!
もっとご覧になりたい方は、ご連絡下さい。      @お問い合わせ
 
宇宙戦艦ヤマトのデスラー星のような異景!( ちょっと古すぎ?)
ちなみに、ピヤン遺跡と ドンガ遺跡とあって、
今回の壁画はドンガの方です。( ピヤンはたいしたことないです )
素晴らしい自然の絶景と、精緻な仏教美術を堪能しました!
 
 
ヨンジュンの言ったとおり、本当に天気が崩れました。 すごい勢いで降ってます!
 
村の姉妹? 洗濯物を取り込みに来た?
 
おじいさん ( いや、おじさん?) は、毎度のこととニコニコ顔!
乾燥しきった場所なので、恵みの雨なんでしょうね~!
 
左の白い帽子の彼は、こう見えても コックさんです。
店もない、レストランもない、もちろんガソリンスタンドなんてない。
ようするに、何にもない!
なんで、
食料やガソリンもトラックでドラム缶ごと運ばなければならないのです! 
 
このホロ付きトラックです! 
ガソリンのドラムカン3本、食料、ミネラルウオーター( 日本人用 )、
携帯酸素のカン、寝袋なんかが積んであります。 
どれが欠けても、イザという時に大変なことになりますから! 
 
左から、2号車のドージー、3号車のバーサン、1号車のヨンジュンです!
みんな気さくで優しいですよ! 
 
またすぐ好天に!
 
もうそろそろ、カイラス山が見えてくるはずなんですが。。。雲が厚いですね~。
 
『 この右奥の山、カイラスじゃないか?』 
 
雲が上がり、ハッキリと見えてきました。間違いありません、カイラス山です!( 西壁 )
チベット語では、カン・リンポチェと呼ばれております。 ( 未踏峰 )
シバ神が住む聖なる山で、山の周りを徒歩( 人によると五体投地で!)で一周します。
私も死ぬまでに一度はコルラ ( 一周すること ) してみたいものです!
 
青空も出てきました! ヨンジュン曰く、チベットの山は不思議で、
どんなに天気が悪くても、その人にご縁があれば、必ず見られるそうです!( 南西壁 )
 
みんな興奮気味に写しております!
120年も前に、初めてチベット入りした日本人僧侶・河口慧海
この山を見上げながら決意を新たにしたことでしょう! 
漢化していない純粋な仏教経典を求め、ネパールから
ヒマラヤを越え、はるばるやって来たんですね~。
当時外国人はチベットに入れませんでした( 当時は鎖国中 )。
ネパールで言葉を覚え、チベット人と偽って行ったそうです。
医者としてもチベットの人々から尊敬され、ダライラマ13世から
招請をうけたこともあるそう。 
僧侶であり、医者であり、そして偉大な冒険家ですね!
 
記念のオ~、写真を撮ーりましょうね~! ( 島倉千代子風に!)
 
高さは6656mでそれほど高くないですが、富士山と同じように独立峰なので、
とても眺めが良いです! 見る角度により微妙に形が変わります。 ( これは南壁 )
 
全景。誰もおりません! 何もありません! これぞ秘境!
( 数年後には、展望所などできてしまいました。。。)
 
トヨタランクル、よくぞ連れてきてくれました!
『 トゥジェチェ!』 ( チベット語で、ありがとうの意 )
 
カイラス山の近くにある聖なる湖・マナサロワール。チベット語ではマーパンユムツォ。
( ツォ、とはチベット語で湖の意 ) チベット3大聖湖のひとつです。
 
インダス河やサトレジ河など、世界の大河の源流ともいわれております!
 
神聖な場所には、必ずタルチョがあります! 蒼天にカラフルな色が映えますね~!
前に五色の色には意味がある、と言いました。 『 緑色は何か分かりましたか?』
植物?森?草原? いや、実は湖とか水、なんです。東部の湿潤な地域以外は乾燥
しきったチベット、樹木はほとんど育たないんですね~。 また機会があれば、緑色の
湖の写真もアップしたいと思います。
 
この白だけのもタルチョでしょうか? 
逆光で見にくいですが、この木の枝のようなもの( 多分杉、松のたぐい )
チベットの人々は、家でもお祈りする時に青いまま( 乾燥していない ) で燃します。
煙はなんとも言えない良い香り! ようするに、お香ですね。
 
この魚の干物は、マナサロワール独特の種で妊婦さんに良い、との事。
通常、チベットの人々は魚を食べません。輪廻転生を信じるので、殺生を嫌うのです。
この魚も、死んだり弱ったりして打ち上げられたのを拾ってくるんだそう。
キリスト教などの一神教は、他の神を信じるものは殺しても良い、ということに
なっている、とトルコ人ガイドから聞いたことがあります。( 真偽不明 )
仏教はおおらかで良いですね~。 罪人も救う! 太宰治のクモの糸を思い出しました。 
 
このあたりは水も多く、野生動物も沢山。
これはハヤブサ?
 
 
草原の土を掘って住み家にするマーモット!
 
野生のシカも! ( 右下 )
 
鴨のツガイ? ヒマラヤ山脈を越え、渡りをするんですねー。
こんな小さな身体でヒマラヤ山脈を越える。自然は厳しい!
 
短い夏に、高山植物も負けじと花を咲かせております!
これはジンチョウゲ?
 
何の花でしょうか? ご存知の方、教えてください!
 
ハマナス? いや、ノウゼンカズラ?  これも良く分かりません。。。
 
これはシソ科のフロミス・ロタータ。 調べました!
 
  
おなじみのサクラ草。 なんとなくホッとしますね~!
四川省では、丈が30センチになろうかというのも見ました。
チベットは寒いし風も強いので、地べたに張り付いて咲いております。 
 
思いがけず、巨大な砂丘に遭遇。平たい大地と強風で、砂が飛び集まって
砂丘を作るんですね~。
 
タイミング良く馬に乗る人が来たので、もう一枚!
 
ヤクの群れもいました!
 
今日もラサ目指して走ります。右に流れるのはヤルツァンポ河。
マナサロワール湖を発し、ガンジス河に合流する2900キロの大河の上流!
まだまだ川幅は小さく、色も濁っておりません!
 
水があれば、花も咲く! 
 
レストラン発見! 久しぶりの昼飯にありつけるか!
 
期待に反し ( 予想通り?)、まあこんなものでした。 トゥクパというチベットうどん、
日本から持参したアルファー米で作ったおにぎり、お茶のみ! 
 
運ちゃんたちは、豪快に食べておりました!
なんとヤクの干し肉! 彼らの主食はツァンパと呼ばれる青麦の粉。
とても栄養価が高いそう。 ヤクの乳で作ったバター茶と一緒に手で練って、
丸めて口に放り込みます! 子供のころよく食べた麦粉菓子を思い出しました!
 
 
店のお手伝いをしていた姉妹?
チベットの子供たちは、本当に良くお手伝いしてくれます。
壁の模様と民族衣装がいい感じだったので、一枚! 
 
 
こちらの娘はちょっとおしゃれ! まあ一応町ですから。
 
今日は、このヤルツァンポ河越え。しかし、橋がない! ので、
この 「 なんちゃってフェリー」 に車ごと乗って渡してもらいます。
 
こんなロープを人力で手繰り寄せて動かすんですね~!
 
 
こんな大きなトラックだって載せちゃいます!
 
 
数年後には橋ができるとの事で、フェリー稼業も商売あがったり。。。
今のうちに稼ごうと、車がいっぱいになるまで出航(?) しません!
最後のランクル一台がまだ対岸に。。。。 さすがの一号車のヨンジュンもお手上げ! 
 
ペングンツォという湖 ( 標高4591m)。 一見ゴミの塊のように見えるもの、
タルチョと同じくチベット仏教の神聖なもの。オボと呼ばれています。 
 
良く見ると、右下の方にしゃがみこんだ人が写っております。
なにか探しているのでしょうか?
 
 
野生のネギ( はまらっきょう?) だそうで、食べられるそうです!
農作物はほとんど採れない荒れ地なのに。 自然からのプレゼントですね!
 
みんな採ってます! ちなみにこの白いテントは布製。
黒いヤクの毛皮のよりずっと安いようです。
 
このあたりには、カンペンチン( 7281m) や、シシャパンマ( 8027m)
などのヒマラヤレンジがあります! 
このバックミラーに映っている山がそうなら良いのに!
<2019年・ヒマラヤ北壁展望ドライブ> にはバッチリ写っておりますよ!
どうぞご覧ください。
 
花に囲まれ、たびたび停まりたくなります! 
 
 
突如暗雲襲来!
 
『 ゲッ、道が、、』 水量が増え、水があふれております! 結構流れも速い。。
 
 
3号車も頑張れ! 
 
やっと今夜の宿に到着。
ティンリーという町で、エベレスト登山の基点の町でもあります。
天気が良いと、ここからエベレストなどヒマラヤが眺められるという素晴らしい場所です!
 
今は7月。夏場はモンスーンの影響で、山は無理ですね~。
次は秋に来ましょう! ( 11月が最高でした!)
                           
こんな町( 村?) です。 人がいないですよね~。
左の飯屋の緑の のぼり、一番上に 「 清真 」 と書いてあります。
これは、『 豚肉を使わない店ですよ 』 とお知らせしています。
いわゆる  「 ハラル 」 ってやつで、イスラム教徒 ( ウイグル族や回族 )
の人達のため、すぐ分かるようにしております。
 
 
作物は育たない厳しい気候。 羊やヤクを持たない貧しい人は、枯れた灌木の枝や
ヤクのフンを拾って暮らしております。 燃料になるのですね~。
冷えて痛いんでしょうか? 悩んでいるのでしょうか?
じっと両手を見つめながら歩いていきました。
 
何やらカラフルな衣装の人がやってきました。
 
お坊さんです。 馬で移動するあたりがチベットらしくて良いですね~!
 
 
他の人達も、同じ方向に向かっていきます。いったいどこへ?
 
 
仔馬も一緒に!
 
 
みんな集まっております。しかしこのお坊さんの帽子、すごいですね~!
 
 
タルチョを新しく張り替えているようですね。 もうすぐお祭りがあるようです! 
 
村人総出でお手伝い。 このおじいちゃん、いい味出してますよね~!
 
 
5145とは、上海からの距離(キロ)です。 国道318号線。
山の下の左に向かう細い道を行くと、エベレスト方面です。
今回は残念ながら直進。
行ってみたい方、<2019 ヒマラヤ北壁展望ドライブ> をご覧ください!
 
トラックにてんこ盛りの人達! 道路工事の日雇い?
いやいや、子供も乗っているので、多分お祭りに参加する人たちでは?
と一号車のヨンジュン。
 
 
どんどんラサ方面に人が移動しております。やはり祭りに行くんでしょう。
 
 
お祭りは、数少ない楽しみのひとつ。 嬉しそうですね~!
 
 
お父さん ( お兄さん?) 、なかなか精悍な顔してますね。
頭の赤い帽子?は、カンパ族の証。 チベットで一番勇敢な部族です!
 
荷物を積めるだけ括り付けたロバと家族。
露天商か? いや、多分お寺へのお布施かもですね~。
チベットの人は商売 ( 金儲け ) を嫌います。 功徳を積むのが生きがいなんです!
 
何日歩いてるんでしょう? 五体投地で聖地に向かうときは、3,4年間
かかることもあるそうです! 信心深さが分かりますね~。
 
長旅では犬は必須。
野宿の時、狼とか近づくと吠えて知らせてくれるのです!
 
お母さん? チベット人は歳が分かりにくい!
 
子供はもうお疲れモード?
 
道路工事の盛土のようなポコポコしたものがいっぱい!
風で砂が飛んできて、草などあるところにどんどん溜まって行ったんでしょう。
 
今日も蒼天! 遠方には砂丘も見えます。
 
と思いきや、またまた暗雲が。。。。 チベットには1日に四季があると言います。
朝晩は冬、日中は夏、春秋はあまりないですね~。
しいて言えば、太陽が昇って日差しが当たりだした頃が春、日中日陰で爽やかな
風が吹いているような時が秋、とでも言いましょうか。。。
あと、どんなに晴天でも、大体峠では風が吹きすさびます。 ダウンが必需品です!
 
雨が降るとあっという間に道がグチャグチャになります。
このトラックは難儀してますね。。。 こんなのがしょっちゅうでした。
( ちなみに秋に行くと雨も少ないし、山も見えるのでお勧めです!)
 
トラックを追い越し、先へ。 我々のランクルは、この程度ならへっちゃらです!
 
やっと本日の宿営地 ( 古都・サキャ ) に到着。
だんだんラサに近づき、立派な建物が増えてきました。
まあ、中は大したことありませんが。。。
 
サキャゴンパ ( ゴンパとはお寺の意 ) 
 
この金色の円柱型のもの、マニ車と呼ばれ、中に経文が入っています。
で、これを一度回すと、お経を一回唱えたことになる、というもの。
昔は貧しく文字が読めない人がほとんどでしたので、大変良いアイデアですね!
ちなみに必ず右回りに回します。 
( 仏教以前からチベットにあるボン教では、逆に回すそうです。 )
 
中には貴重なマンダラ ( 仏画 ) が沢山ありました!
 
チベットでは火葬の習慣はなく、天葬 ( 鳥葬 )  にします。
鳥が食べやすくするため、遺体を細かく切り分けます。 ( 専属のお坊さんの勤め )
ということで、昔のチベット医学は大変発達していました。この骸骨もそうですが、
人体の臓器や目など、おどろおどろしく描いてあるものも少なくありません。
しかしこの骸骨は、なんともユーモラスで可愛くないですか?
 
ここが町中。緑灰色の地味な壁に赤と白のラインが印象的!
なんとなく小雨が似合う町でした。
ちなみに天気が良いと埃っぽいので、のどの弱い方は是非マスクをご持参ください!
 
緑灰色が、この町のシンボルなんですね。どの建物もそうでした。
屋根に積んであるのは干したヤクのフンで、燃料として燃します。 
まだ柔らかいうちに、丸めて壁に投げつけると、うまいぐあいに平たくなります。
貼り付いたまま、天日で自然に乾くとできあがり! 
なんだか汚そうですが、天然の草しか食べないヤク。フンも煙も臭くないです。
ちなみに一番臭いのは人間の、だそうです!  ( だれが調べたのかな?)
 
 
昨夜お世話になったチベット式の宿。
実は、割れた窓に新聞紙で目張りして一晩しのぎました! 
 
 
昨夜の雨で、またこんな状態に!
 
 
トヨタ車、頑張ってます!
 
 
果てしなく続く道!
 
ここは国道318号線の、上海から5000キロ地点。
新疆まで続く、中国一長い国道です。
 
チベット第二の都市・シガツェに到着。町には活気があります。
 
おじいさんも、自慢のブーツを履いて、ちょっと得意そう!
 
それもそのはず、今日はシャダホというお祭りの日だったんです。
ヨンジュンが言っていた祭りは、このことだったんですね。
右上に、お寺の壁に掛けた巨大なタンカが遠望できます。
 
縦40メートルはあるという、巨大なタンカ。お祭りの3日間だけのご開帳です。
 
みんなこれを見るのを楽しみにして、と言うか 「 ありがたく拝観する」、でしょうね。
 
五体投地で行く人も少なくありません!
 
お寺の中のマンダラ。千手千眼観音でしょうか。
 
 
なんでしょうか? 牛魔王というか牛頭 ( ゴズ ) でしょうか?
いや、チベットだからヤク魔王? ( 笑 )
 
 
十一面観音。
太宰府の観世音寺には木像があったような。 馬頭でしたが。
 
天井には、これまた緻密なマンダラ! 須弥山を表現しているのでしょうか?
もしそうなら、前に見たカイラス山、ですね!
 
六道輪廻図。  「 生き物は、この6種類の世界のいずれかに行く。」 
死ぬと輪廻転生し、同じ魂が新たな一生を送ると信じられています。
残念ながら、また人に生まれ変わるかもわかりません。犬や猫かも。虫かも。
最高位は仏 (天界) の世界、次が人間界、そして畜生とか餓鬼とかアシュラとか、、、、
で、最悪が地獄。 チベットの人は、貧しくても功徳を積み、現世利益を求めません。
人生の目的は、こんなところにあったからなんですね~!!!
 
これは僧房でしょうか?
 
タシルンポ寺の全景です。
 
ぞくぞくお参りにやってきます! 
 
すごい数!
 
チベットの人は、夏でも厚着です。 なんせ一日に四季がありますので。。
 
高台より
 
寺のてっぺんより。 菜の花がきれいでした! 
 
お隣の町・ギャンツェの砦。 ギャンツェ・ゾンと呼ばれます。
1900年初頭、インド国境から攻めて来たイギリス軍に最後まで抵抗した人々の拠点。
戦ったのはチベットでも最も勇敢なカンパ族! ( 例の赤い頭の部族 )
最新の銃器を持った英軍に、健闘むなしく3か月で敗北しましたが、降伏せずに
この崖から飛び降りて死を選んだそうです。
 
50年後には、英軍を追い払った中国軍にチベット全土が占領されてしまいます。
今は犬ものんびりと昼寝する、なんとものどかな風景。
ずっとこの平和が続くよう、祈るばかりです!
 
ここはパンコルチューデ寺の正面。
 
中には、やはり沢山の塑像やタンカがありました。
 
 
かなり古そうな仏画。
 
ごく普通に、直接壁に描かれております。
 
第三の目を持つのは、白ターラでしょうか?
 
 
 
想像ですが、お釈迦様が人を助けているジャータカでしょうか?
 
 
 
この蓮の花?を持った菩薩、インドのアジャンタ石窟でも見たような。。
 
これは出産の様子でしょうか???
 
他の寺にはない、独特のパンコルチューデの建築様式。
ギャンツェは小さい割に、見どころの多い街でした!
 
ラサに近づくにつれ、菜の花が増えてきます。
 
できたばかりのダム湖。
この頃から、西部大開発の名のもと、あちこちでダムや道がつくられました。。。
 
水があれば、花も咲く! 巨大なタンポポ?
 
 
 
前にもさいてたけど、何か分かりません???
お分かりの方、是非お知らせください!
 
フロミス・ロタータ ( シソ科 )
 
これも同じ種でしょうか???
 
しおがま?
 
 
 
ヤルツァンポ河も、だいぶ大きくなってきました! 
 
すごい氷河見参!
 
これはノジンカンツァン峰の氷河! 山の標高はそう高くありませんが、
( それでも7191mありますが ) 道路からこんなに近い場所でこの氷河が
眺められる! 望外の幸せでした!
 
車を降りると、氷河が目の前! 少し登るとタルチョがあります。
 
蒼い空、白い氷河にタルチョが映えます!
 
車が停まると、山で採ってきたキノコなど売りに来ます!
まあこの絶景ですから、9割がたの車は必ず停まるので ( 笑! )
 
 
山は貴重な恵みをもたらしてくれます。 キノコなど食べられるものや、高山植物を
乾燥させて作る漢方薬、山サンゴなどなど! 全部自然のものです!
 
この娘が持っているのは、雪蓮という高山植物の花。 トウヒレンですね!
滋養強壮など、漢方薬として利用します。
 
 
みんな大喜び! 『 こんなに楽に見れるなんて、幸せ!』
 
もうしぶんない蒼天! さあ、先へ進もう!
 
一面の菜の花! 右に見えるのはヤムドゥク湖!
マナサロワール湖と並び、チベット3大聖湖のひとつです。
 
湖畔の標高は4441mありますが、もう高度順応はバッチリ!
なんとも快適なドライブでした!
 
中国語では、羊湖 ( ヤンフー ) と呼ばれるとおり、ひつじが沢山!
こんな草原で自由に草を食べる羊。きっとお肉もおいしいことでしょう!
 
牛ものんびりです!
              
水があれば、花も咲く!
 
ラッパ草?
 
湖畔にはお花が一杯。 『 最後のランチはここにしよう!』
 
カンパラ峠を越えたら、もうラサです。運ちゃん達も、ほっと一息。
『 今夜はカアちゃんの顔が見れるぞ~!』
 
ここがカンパラ ( ラ、とは峠の意 )、4794mの最後の峠です。
 
五色のタルチョも、盛大にはためいております!
前に、緑色の意味は 「 水、湖 」 と申しましたよね?
 
緑色に見えますでしょうか?
 
 
ヤムドゥク湖は、「 トルコ石の湖 」 とも呼ばれ、天気や太陽の角度で微妙に
色を変えます。遠方のかすかに見えている雪山は、先ほど見たノジンカンツァンです。
 
みんな元気に記念撮影!
 
お世話になった運ちゃん、ガイドさん、あと少し頑張ってね!
 
このヤクに乗って写真が撮れます。5元 ( 約60円・当時 )
 
カンパラ峠をラサに向け下ってゆきます。 すると、、
 
なんとガケの斜面に、あきらめかけていた念願のブルーポピーが!  
 
4000mを越えてからずっと、助手席から目を皿のようにして捜していたのです。
青い色を見つけるたびにドキドキ。でも近づくとだいたい青いビニール袋。。。
15日目にして、やっと姿を見せてくれました!
『 チベットと縁があるな~ 』 と確信した一瞬でした!
 
紫、黄色、赤といろいろな色がありますが、やはり青いのが好きです!
 
こんな花も咲いていました。
 
この色も綺麗ですね~。
 
ヤルツァンポ河もどんどん川幅を増してきました。
 
「 なんちゃってフェリー 」 で渡ったのと同じ河とは、とても思えませんね。。。
 
ついに終点のラサ。シンボルのポタラ宮が目の前に!
 
強烈な日差しと凍えるような寒さ、日本ならとっくに配車であろう老ランクル、あふれる雪解け水と砂ぼこりの悪路、とっても貧弱な食事、すきま風吹き込む山小屋のような宿、そして高山病を心配しながら越えた5000mの峠。。。 みんな万感の思いで、最後の一枚!
 
  ~ 以上、新疆からラサまでの2週間のランクルの旅でした! ~
 
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